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頓田囃子七五三太

Author:頓田囃子七五三太
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 生涯“にわかファン”…どうせ“通”にはなれない。
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 今回、文章がややこしくなるので敬称としての“師匠”は使わない。

 BS11『柳家喬太郎の粋ダネ!』(2011年10月22日放送)で、ゲストの柳家権太楼さんが、師匠である柳家つばめさんについて語っていた。

 権「(柳家つばめが)“お前さんはあたしをしくじった”って言うんですよ」

 ここで、魚住りえさんが「…?しくじる…?」と反応した。


 オレだけではなかった!\(^o^)/


 噺家さんの間で用いられる符牒については深追いしない。
 が、この“しくじる”という言葉は、ホール落語でのトークや噺家さんのエッセイなど、我々一般ピープルに向けられた発言の中にもしばしば登場する。


 魚住さんと言えば慶応義塾大学文学部の仏文出身であり、言葉を扱うアナウンサーというお仕事をなさっているわけで、日本語に関しては専門家に近い立場であろう。

 そんな魚住さんが“しくじる”という言葉に違和感を持ったわけである。


 一般的には“しくじる”というのは“失敗する”という意味で使われることが多い。…てか、ほとんど。


 ところが、噺家さんはしばしば「師匠をしくじる」という使い方をする。

 何たって、『目白・柏木・黒門町 内儀さんだけはしくじるな』(古今亭八朝・岡本和明編 文藝春秋)という本まで出ている。同書の帯には「師匠をしくじれば破門、内儀さんをしくじれば破滅?」というアオリ文句が踊っている。

 『談志楽屋噺』(立川談志 文春文庫)の中でも何度もこの“しくじる”という言葉が登場する。



 結論から言うと、『広辞苑』(第六版)には二番目の語義として「過失などによって解雇されたり、出入りを差しとめられたりする。また、機嫌をそこねる。」と、ちゃんと載っている使い方だった。

 講談社『日本語大辞典』(初版)「(2)勤め先をくびになる be dismissed」
 岩波書店『岩波国語辞典』(第三版)「(2)過失などがあって解雇される、または出入りを差しとめられる」
 三省堂『新明解国語辞典』(第二版)は「(2)あやまちなどのために職を失う」/(第六版)「(2)あやまちなどを犯したために好ましくない結果になる」
 …と、携帯サイズの辞書にも近い意味が出ていた。

 特筆すべきは大修館書店『明鏡国語辞典』(初版)で、「(2)過失などによって勤め先や仕事の場を失う。」とした上で「酒で会社を」「師匠を」という用例が紹介されていた!

 手元の辞書に関する限り、意味としては『広辞苑』、用例としては『明鏡』が噺家さんの言う“しくじる”を説明してくれている。



 私はてっきり落語業界特有の言い回しだと思っていた。


 そのあたりは不明を恥じるしか無いが、魚住さんだって一瞬「え?」と思ったわけであるからして、私が知らなくても当然だろうと開き直っても良いのではないか。


 ついでながら、“本寸法”も業界用語かと思っていたら、これも『広辞苑』に「本来の正しい基準にかなっていること。落語などの芸をくずしていないこと。」としっかり出ていた。
 

 だから、私が日常的に「得意先をしくじった」と嘆いたり「いや、本寸法だねぇ」と感心しても何ら問題は無いっちゃ無い。
 

 …。


 辞書に載っているからといって、普段使いに相応しいかどうかは別だな。


 
 なお、さすがに“パーパー言う”は辞書にも載っていなかった。

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